社会学科『ソシオフェスタ2022-第29回“写真で語る:「東京」の社会学”展と第11回シモタカ・ジョースイ映像祭-』開催しました

2023.01.18

学 科

 社会学科主催の「ソシオフェスタ2022」の一環で、20221218()の午後1時半~515分に3号館3305教室を会場として、第29写真で語る:「東京」の社会学展と第11回シモタカ・ジョースイ映像祭を開催しました。

写真1.会場の様子

 

 

ソシオフェスタ

 「ソシオフェスタ」は、社会学科のゼミナール・演習・社会調査実習等で行っている調査研究活動の成果を「形」にして学内外に発表すると共に、学生が企画・広報宣伝・渉外・運営等に関わる実践的な諸活動を経験することを通して、学科が掲げる「骨太の人材の育成」  にも寄与することを企図して、2010年度より開催し続けている学術イベントです。2022年度で13回目となりました。

 社会学科が掲げる「社会学の理論を用いて、現実の社会を調査・分析し、企画立案・問題解決を図れる人材を育成する」という教育目標を実現する上で、この「ソシオフェスタ」や毎年2月上旬に開催する「卒業論文発表会」(2001年度に始め2022年度で22回目)といった学科主催の学術イベントが大きな役割を担っています。

 “写真で語る:「東京」の社会学”展とシモタカ・ジョースイ映像祭は、いずれも社会学科後藤ゼミナールが取り組んでいる研究プロジェクトの成果発表会です。

 

 

“写真で語る:「東京」の社会学”展

 “写真で語る:「東京」の社会学”展は、1994年度から後藤ゼミが取り組む“写真で語る:「東京」の社会学”プロジェクトによって生み出される作品(写真+タイトル+解説文で構成)を発表するものです。「東京」や「東京人」が写り込んだ写真(静止画)を凝視・観察して、「小さな物語素」を事後的に抽出し、社会学的想像力を働かせて「写真の背後に隠れているより大きな社会的世界」を読み込み、写真に写っている/写っていない場面・現場に立ち降りてフィールドワークを行い、対話を重ねて社会学的に分析・解釈し、言葉に置き換えたテクスト(タイトルと解説文)を写真に寄生させて写真と共に物語るという独自のプロジェクトです。後藤が1年間の在外研究にあたった2000年度を含め、桜麗祭、学部主催の展覧会、学科主催のソシオフェスタで途切れることなく毎年発表し続け、2022年度で29回を数えました。202021年度はコロナ禍で特設サイト(https://n510.com/sociofesta/)でのオンライン開催となりましたが、19942019年度は3日間(桜麗祭)~10日間(学部主催の展覧会)の会期で作品を会場に展示して発表し続けました。

 今回は3年ぶりの対面開催となりましたが、パネル展示ができなかったため、学生によるプレゼンテーション方式によって発表しました。「『東京』の地下空間地下と地上との合わせ鏡」と題するメインテーマのもと、「1.日本で最古の地下の街浅草地下街」「2.地下空間から考える『銀座らしさ』って、何だ?」「3.地下街のワークスペース『東京』中心部に見る4類型」「4.丸の内1丁目の団体集合場所地面の下と上に存在する唯一無二の贅沢空間」「5.小田急線の地下化に伴う再開発 線路街に見るシモキタのありよう」の5作品がゼミの4年生によって制作され発表されました。

 

写真2.写真を映しながらプレゼンにあたるゼミ生

 

シモタカ・ジョースイ映像祭

 シモタカ・ジョースイ映像祭は、“映像(動画+音声)で記録する/映像を資料とする/映像で考える/映像で表現する”映像フィールドワークの実践を2008年度から積み重ねた経験を土台として、2011年度にスタートさせた映像祭で、開催できなかった1年を除き、2022年度で11回目となりました。文理学部のある地元「下高井戸・桜上水」地域のヒト・コト・モノ(=地域資源)を発掘し、それを題材とする映像ドキュメンタリー作品(社会学的映像モノグラフ)を制作し、内外に向けて発表するという「下高井戸・桜上水物語」プロジェクトによるものです。毎年2,3作品が制作されていますが、今回は「1.甲州街道沿いから発せられる希望の息吹自立と共生社会を目指して」「2.味噌も売る呉服屋下高井戸商店街の隠し味」「3.ここは深夜のサードプレイス下高井戸のオーセンティック・バー」の3作品が、ゼミの3年生によって制作され発表されました。

 

写真3.ドキュメンタリー作品を上映中の様子

 

 約3時間半にも及ぶ発表会でしたが、文理学部の学生や教員、ゼミの卒業生、他大学の学生の他に、下高井戸商店街振興組合理事長をはじめとするドキュメンタリー作品に登場する方々も多く参加して下さり、「東京」展でも映像祭でも熱気を帯びた質疑応答が繰り広げられました。

 3年ぶりの対面での開催は、参加者に決して少なくない気づきを与えると同時に、ゼミ生たちは臨場感や緊張感と共に達成感をも味わってくれたことでしょう。

 

写真4.発表後の質疑応答で他大学の学生が質問している場面

 

※後藤研究室のWebサイト(https://www.n510.com/)もご参照下さい。2022年度作品については、20233月頃に掲載・公開する予定です。

(文責:社会学科特任教授 後藤範章)