日本語教育部門

文理学部と大学院文学研究科では,多様化し,グローバル化する時代に対応した教育環境をめざし「日本語教育コース」を開講しています。日本語のリテラシーはもちろんのこと,日本語を教えることができる人材を育成します。

大学院に開設される基礎コースは,理工学研究科(地理学専攻),総合基礎科学研究科の院生も履修できます。

日本語教育コースについて

本コースでは,専門職として本格的に日本語教師をめざす人はもちろん,人文系・社会系・理学系の各学科,大学院文学研究科・理工学研究科(地理学)・総合基礎科学研究科に所属する人も,自身の専門を深めながら,国際感覚を磨く一助となる,日本語教育の基礎的知識とスキルを獲得することができます。

1.学部

日本語教育に関わる基礎的な科目を学ぶコースです。

以下の科目を修得すると,修了証書が発行されます。

 

■基礎コース

科目区分 科目名 単位 必修・選択 学年 学期 履修条件

総合教育科目

総合Ⅲ群

国際教養科目

日本語教育学入門 2 コース

必修

1年生

以上

前学期
日本語教育のための文法 2 後学期
教材・教具論 2 2年生

以上

通年 「日本語教育学入門」

「日本語教育のための文法」

「教材・教具論」

の3科目を修得していること。

日本語教育実習 3

※学部のコースは,近く新設される予定の「登録日本語教員」という国家資格を取得しやすくするために,2024年度より文化庁指定の「日本語教師【養成】における教育内容」に対応したカリキュラムに改編される予定です。

2.大学院

より専門性の高い日本語教育の知識・スキルの獲得をめざすコースです。

「基礎コース」と「応用コース」があり,指定の科目群から所定の単位数を修得すると,それぞれの修了証書が発行されます。

「日本語教育コース」所属の教員が指導教員となり,日本語教育をテーマとした修士論文・博士論文を執筆することもできます。

 

■基礎コース【博士前期課程】

科目名 単位 必修・選択 学年 学期 履修条件
日本語教育学特論1

(日本語教育学概論)

2 コース必修 1年生 前学期
日本語教育学特論2

(日本語教育文法)

2
日本語教育学特論3

(教材・教具論)

2 後学期 「日本語教育学特論1」

「日本語教育学特論2」

を修得済みであること。

日本語教育実習1(国内) 3 選択必修 2年生 前学期 「日本語教育学特論1」

「日本語教育学特論2」

「日本語教育学特論3」

を修得済みであること。

日本語教育実習2(海外) 3 2年生 通年

 

■応用コース【博士前期課程】

※応用コースは,文化庁指定の「日本語教師【養成】における教育内容」に対応しています。

科目名 単位 必修・選択 学年 学期 履修条件 備考
日本語教育学特論1

(日本語教育学概論)

2 コース必修 1年生 前学期 基礎コースと共通
日本語教育学特論2

(日本語教育文法)

2
日本語教育学特論3

(教材・教具論)

2 後学期

「日本語教育学特論1」

「日本語教育学特論2」

を修得済みであること。

日本語教育実習1

(国内)

3 選択必修 2年生 前学期

「日本語教育学特論1」

「日本語教育学特論2」

「日本語教育学特論3」

を修得済みであること。

日本語教育実習2

(海外)

3 2年生 後学期
日本語教育学特殊講義

1~8

2

選択

17単位(実質9科目18単位)以上を履修

1~2

年生

前学期

または

後学期

日本語教育学専門演習

1~8

2 国文学専攻に在籍し,日本語教育コースの教員が指導教員であること。
日本語教育学総合研究

1~6

2

※応用コース26単位には,(1)国文学専攻日本語学関連科目,(2)国文学専攻を含む他専攻開講の「日本事情」相当科目を含むことができます。

3.日本語教育コースの3つのポイント

ポイント1

日本語教育のために必要な知識とスキルが身につく

文理学部キャンパスで学ぶすべての学部生・大学院生(博士前期課程)が履修できます。

自身の専門を深めながら,日本語教育のために必要な知識とスキルを身につけることができます。

ポイント2

修得した単位は,専攻によって大学・大学院修了要件単位に含まれる

日本語教育コースで修得した単位は,学部は卒業に必要な単位として,また,大学院は専攻により修了要件単位に含むことができます。

コース修了後に発行される修了証明書も将来の可能性を広げてくれます。

ポイント3

日本語ネイティブの学生にも海外の学生との交流の機会を提供

海外から日本に来て働く人が増える中,企業でも多様な人材育成の鍵として日本語教育の知識・スキルが重視されています。

日本語ネイティブの学生にも海外の学生との交流の機会を提供し,多様化する社会に応える人材を育成します。

日本語教育コース担当教員

井上 優 教授

専門:
文法・意味,日本語と中国語の対照研究,文法教育
メッセージ:
対照研究は,複数の異なるものを比較しながら,それらを「公平に見る」ことができる見方を考える研究です。対照研究の感覚は異文化理解のためにとても役立ちます。日本語教育コースで「多文化社会に生きるための知恵」についていっしょに考えていきましょう。

解説:「日本語教育とは何か」
井上 優(2021)「文法と日本語教育―「ても」をめぐって―」『語文』169号(日本大学国文学会)【PDF】

田中 ゆかり 教授

専門:
社会言語学,方言研究,音声学・音韻論,発音教育
メッセージ:
言語を通して社会や時代を読み解く楽しさを,国内外から文理学部キャンパスに集うみなさんと共有したいと思っています。そのことを通じ,多様化・情報化社会を生きるわたしたちに必要な知識・スキルを提供するのと同時に,教職員・学生を問わず相互に学び合う研究教育機関であることをめざします。

解説:「日本語教育とは何か」
田中ゆかり(2022)「「日本語教育学」の必要性を知る―身近な言語景観・言語サービス事例から―」『語文』174号(日本大学国文学会)【PDF】

野田 尚史 教授

専門:
文法,文法教育,コミュニケーション研究
メッセージ:
世界のいろいろな地域で日本語を外国語として勉強している人がどんどん増えています。いっしょに日本語を外国語として客観的に分析し,学んでいきましょう。

解説:「日本語教育とは何か」
野田尚史(2022)「日本語学習者の読解における推測」『語文』172号(日本大学国文学会)【PDF】

松﨑 寛 教授

専門:
日本語教授法,第二言語習得,音声,音声教育
メッセージ:
「生活者としての外国人」「外国にルーツを持つ子ども」との共生が喫緊の社会的課題となったいま,「日本語教育学」は日本語教師のためだけのものではなく,一般に求められる素養の一つとなりつつあります。ぜひ色々な授業を取ってみてください。

解説:「日本語教育とは何か」
松﨑 寛(2023)「コミュニケーションと発音習得の諸問題」『語文』175号(日本大学国文学会)【PDF】

金 愛蘭 准教授

専門:
語彙論・意味論,コーパス言語学,文章表現教育,語彙教育
メッセージ:
日本語を第二言語として習得した者としての経験と気づきを大事にしています。ふだん見慣れた風景=日本語も違う角度から見ると,今まで気づかなかった面白い発見がたくさんあります。このコースでいっしょに学んでみませんか。

解説:「日本語教育とは何か」
金 愛蘭(2021)「日本語非母語話者のテクスト理解とつまずき―語彙と意味を中心に―」『語文』170号(日本大学国文学会)【PDF】

李 婷 助教

専門:
待遇コミュニケーション研究,文章・談話論,日本語教授法
メッセージ:
ノンネイティブ教師独自の強みを活かした教育実践によって学習者を全力でサポートしつつ,多文化共生社会を生きる一人のコミュニケーション主体としても,学習者と共に成長していきたいと思います。

解説:「日本語教育とは何か」
李 婷(2021)「学部生時代から授かった研究の種」『語文』171号(日本大学国文学会)【PDF】

日本語教育コース動画集

日本語教育コース紹介

田中 ゆかり先生

「日本語教育コース」開講中!

日本語教育コース紹介動画

「日本語教育」とは?

野田 尚史 先生

クイズ形式で学ぶ日本語教育とは?

金 愛蘭 先生

日本語を教えるってどういうこと?(初級授業編)

金 愛蘭 先生

日本語授業の様子・解説付(初級)

金 愛蘭 先生

ミニ講義「日本語学習者の日本語」

野田 尚史 先生

ミニ講義「対照研究と異文化理解」

井上 優 先生

ミニ講義「文法とコミュニケーション」

井上 優 先生

ミニ講義「日本語の音声と音声教育」

松﨑 寛 先生

ミニ講義「留学生の講義理解」

李 婷 先生